尾根に華やぐ石楠花とアケボノツツジ

　従来からの登山道を登るかツウチャン新道を登るか、決まらないまま９時10分に登山口を後にする。

　ツウチャン新道に脚を進め、枯れたスズタケの中を15分程登ると林道に出た。林道を少し下り、法面に作られた丸太の階段を上ると緩やかな尾根登りとなり再び延伸中の林道に出た。

　２回目に出合った林道は大きくカーブした個所から登山道へと脚を進めた。尾根は傾斜を増し登山道は急坂となって来たが、今が見頃となった満開のシャクナゲを楽しみながら登った。

　尾根を上り詰め四季見原キャンプ場からのコースと出会う当たりから、アケボノツツジが多く見られる様に成って来た。

　尾根には多くのアケボノツツジが見受けられたが、大部分の樹は花弁も散り終わりを迎えていた。満開時の素晴しい登山道を想像しながら脚を進めていると、目前にロープが施された急登する登山道が待ち受けていた。

　「フウフウハァハァ」一歩一歩ロープにすがるようにして急登する登山道を登り上がると又、先方に同じステージが現れ心が折れそうになった。とにかく一心に力を振り絞りこの急坂を登ると親父山は直ぐの所で、登山口を出発してから2時間２０分を要していた。

　山頂は周りのスズタケが枯れ、遮るものが無くなった為見通しが良くなり、古祖母山や此れから目指す障子岳がよく見えていた。

　毎回ここを通過する際は写真に収めているが、日の丸と星条旗が新しく取り替えられていた。

　ブナの大木はやっと芽吹き始めていた。この辺りは祖母山を眺めながらルンルン気分で尾根歩きを楽しめた。

　瑞々しいバイケイソウの生える中を最高の気分で進んだ。

　障子岳に近付く辺りで無惨な姿となった枯れ木が目立って来た。

　登山口を出発してから約３時間を要し障子岳山頂に着いた。山頂からの眺めは快晴に恵まれ大パノラマが広がり、心行く迄眺望を楽しむ事が出来た。山頂で30分程休憩を取り、次の目的地である黒岳目指し親父山迄往路を引き返した。

　親父山の山頂から標識に従い黒岳方向へと脚を進めた。

　黒岳方面へと脚を進めると、此れから目指す黒岳が前方に姿を現した。

　黒岳に近付くにつれアケボノツツジやシャクナゲが目立つ様になって来た。

　頭上に咲き乱れるアケボノツツジ、青空に映えるピンクの花がとても奇麗だった。

　満開の花で華やぐ縦走路を、心弾ませながら脚を進める。

　意外にも、このルートでは登山者とあまり出会わなかった。

　黒岳基部にある北谷登山口への降り口には通行禁止の標識が大きく表示されていたが、北谷登山口への誘導矢印も大きく案内されていた。

　花のトンネルをくぐり抜けながら縦走路は続く。

　幾つもの小さなピークを越えながら三尖へと脚を進める。