見頃を迎えた仰烏帽子山のイワザクラ

　何時もの通り見慣れた「ようこそ仰烏帽子山へ」の案内板に迎えられた。花は咲いているかなぁと思い巡らせながら準備に取りかかる。

　登山口を後にするとすぐ、木漏れ日のする杉の植林帯の中を緩やかに登リ始める。登山道脇にはコミヤマカタバミやジロボウエンゴサクの花がすぐ出迎えてくれた。

　杉の植林帯から落葉樹帯を抜けると開けた場所に出た。ここからは三角点のある仏石や、遠方にはこれから登る仰烏帽子山が眺められた。

　開けた場所に出るとフクジュソウ群生地と仰烏帽子山への分岐転に差し掛かった。ここは左方向へ進み仏石へと向かった。足下には成長したフクジュソウの葉が青々と茂っていた。

　仏石からは鎖場を登り、杉林の中を数分歩くと、第1登山口からのコースと出会った。

穴の中をのぞくと生暖かさが感じられた。

　白い石灰岩が露出する植林帯や、尾根の落葉樹林帯を抜け、最後に馬酔木が茂る急坂をひと登りすると山頂だった。

　山頂からの展望はすばらしく、360度の大パノラマが広がっていた。霞は少しあるものの、人吉方面の市房山から反対側の雲仙岳が確認出来た。

　兎群石山からは往路を第一登山口への分岐点まで引き返した。ここから先は往路を辿らず、フクジュソウ群生地の反対側登山道を通り、第二登山口へ戻った。

　今回は適期に巡り遭ったのか、満開のイカリソウが数多く咲いていた。

　毎年見ていた大株のイワザクラが無くなっていた。盗掘されたのだろうか？残念でならない。しかし小株のイワザクラは何時もと変わりなく、尾根の急斜面に咲いていた。

　この株の花は、満開時を少々過ぎていたが、まだまだ奇麗に見えた。

　花数が一輪から二輪程の株は多く見受けられたが、四輪以上の株は少なかった。

　カタクリは尾根の比較的平坦な場所に疎らに咲いていた。

　花の最盛期を過ぎ随分色あせていた。

　日が良く当たる暖かい場所のシャクヤクは見頃を迎えていたが、大部分のシャクヤクは未だ蕾が多かった。

　登山道脇には多くのカタバミが咲いていた。行きに見た花は閉じているのが多かったが、帰りは一斉に開いていた。

　今年の花の生育はあまり良いとは思われない。ヒトリシズカの花は貧弱で、昨年同じ場所に沢山咲いていたセントウソウは今年見られなかった。