天主山のヤマシャクヤク見頃を迎えていました

　鴨猪川に架かる菅第1号橋を渡ると直ぐ林道は二手に分かれていた。天主山方面への林道は、３年前の大地震で林道が崩落し被害を受けたが、まだ復旧工事が行われていない為通行止めとなっている。

　菅第1号橋を渡った辺りに車を止め、天主山方面へと続く林道を歩き始めると、林道脇にはガクウツギやマルバウツギが至る所に、賑やかに咲いていた。　

　今を盛りと咲くウツギの花を楽しみながら30分ほど歩くと、登山道入り口に着いた。地震前迄はここまで車で来る事が出来た。

　二股に分かれている林道を、登山道入り口の標識に従い右方向へと進み、石ころが散乱する林道を４〜５分進むと、登山口が見えて来た。

　鮎の瀬新道 天主山登山口には、大きくカーブした林道左側の法面に、ロープが垂れ下がっている。林道に別れを告げ、このロープを使い登り始める事から登山の第一歩が始まる。

　ロープを使い法面を登り上がると、やせ尾根を一直線に急登している登山道が現れる。何時もの通り何も考えずに、ただひたすら小幅で登り始める。

　大木の生える樫や椿シャラの雑木林の中を「フウフウハァハァ」呼吸を整えながら一歩一歩登って行く。

　常緑広葉樹林の初夏は鮮やかな緑一色で奇麗だが、若葉に変わり交代した落ち葉が、林床を埋め尽くしてしまう。この時期登山道は踏み後が分からなくなったり、急な坂では良く滑るので特に注意が必要だ。

　車を後にしてから約２時間で天主の舞台1194mに着いた。ここで休憩を取りながら、これから目指す山頂を眺め、写真を撮るのがパターン化している。

 　天主の舞台を取り囲む様に、ハイノキが白い花をいっぱい咲かせていた。

　登山道界隈には、白い花をつけたハイノキが、随所に咲いていた。

　内大臣からのコースと出会う辺りの尾根には、ブナの大木が数多く見られた。九州中央山地の自然の豊かさを直に感じ取リながら、気持のよい尾根歩きを楽しんだ。

　毎回ここを通過する時は、この辺りで一番大きなブナの木にハイタッチをし、その木の持つ強い生命力の分け前に預かっている。

　石灰岩の露出した尾根を通過すると、次第にヤマシャクヤクの群落地に入って行った。この辺りのヤマシャクヤクは丁度満開で見頃だった。

　ヤマシャクヤクを楽しみながら急坂を上り詰めると、天主山 山頂に到着した。山頂には人影はなく静まり返っていた。山頂からの眺めは木々に囲まれている為、樹間から見える程度であまり良くなかった

　山頂から東へ延びる大きな尾根を少し進むと、尾根は次第に下坂となり、石灰岩が露出した尾根道に変わった。

　石灰岩が露出した尾根道界隈には、苔むした岩の間の随所にヤマシャクヤクが咲いていた。

　幾つかの小さなピークを越えながら下り続け、馬酔木の茂みの中を抜け岩を登ると、開けた場所に出た。ここからの眺めは椎谷峠が良く見え、右方向へと目を移すと高岳や国見岳が確認出来た 。

　はて、この青い筋のような物は何でしょうか？

　山頂から東方向へと尾根を少し進み、下りながら小さなピークを幾つか越え、1402m辺りの鞍部へ着いた。天主山ではここが一番早くヤマシャクヤクが咲く場所であるが、今年の花期は完全に終わっていた。10年程前は５月20日頃が見頃だったが、近年は５月に入ると見頃を迎えるようで、温暖化の影響だろうか随分早まっている。

　初夏の尾根の花を求めて30分ほど鞍部を散策したが、これと言った目新しい花は発見出来なかった。近年バイケイソウやトリカブトが勢力を増している様に思える。